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第1回【行政改革とDXの違い】

2026.07.14

近年、「行政改革」と「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を耳にする機会が増えました。どちらも自治体の変革を目指す取り組みですが、実は目的やアプローチには違いがあります。

行政改革は、限られた人員や財源の中で、より効率的で効果的な行政運営を実現することを目的としています。業務の見直しや組織の再編、民間活力の活用、事務事業の整理などを通じて、行政サービスの質を維持・向上させながら経営資源を有効活用する考え方です。自治体においては、これまでも行財政改革や定員適正化計画など、さまざまな形で取り組まれてきました。

一方、DXはデジタル技術を活用して業務やサービスそのものを変革する取り組みです。単にシステムを導入することではなく、住民サービスの向上や職員の働き方改革、新たな価値の創出を目指すものです。オンライン申請やAI活用、データ連携などはDXの手段であり、目的ではありません。

行政改革とDXの違いを一言で表すなら、行政改革は「何を変えるべきかを考えること」、DXは「どのように変えるかを実現すること」と言えます。

例えば、窓口業務の負担軽減を考えた場合、行政改革の視点では業務の流れや役割分担を見直し、本当に必要な手続きを整理します。その上でDXの視点からオンライン申請や電子決裁を導入し、住民や職員の利便性向上を図ります。つまり、業務の見直しを行わずにシステムだけを導入しても、本質的な改善にはつながりません。

自治体の現場で、「DXを進めたい」という相談を受けることがあります。しかし、詳しく話を聞くと、実際には業務フローが整理されていなかったり、担当者ごとにやり方がまちまちだったりするケースも少なくありません。そのような状況でシステム導入を進めても、既存の非効率な業務をそのままデジタル化するだけになってしまいます。

だからこそ重要なのが、まず、現状業務(AS IS)を整理し、あるべき姿(TO BE)を描くことです。行政改革の考え方で業務や組織を見直し、その実現手段としてDXを活用する。この順番が大事です。

行政改革とDXは別のものではなく、互いを補完し合う関係です。行政改革が方向性を示し、DXがその実現を支える。DX推進は、この構図を意識し、両者を一体的に進める視点をもって取り組むことが成功への鍵となります。

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